
京都市考古資料館創立40周年記念 令和元年度文化財講演会 開催のお知らせ
近世京都の芸能と暮らし-京都市指定文化財「御土居跡(西九条周辺)出土品」をめぐって-
天正19年(1591)、豊臣秀吉が築いた都市京都の城壁「御土居」。堀と土塁からなるこの防御施設は、やがて訪れた太平の世には無用の長物となり、堀の一部はごみ捨て場と化します。油小路八条から九条にかけての発掘調査では、御土居の堀跡から近世初期の多量の廃棄物が出土しました。注目すべきは、通常は地中で朽ちてしまう木製品が、ここでは堀の泥土に守られ、よくその形状を維持していたことです。それらは驚くべき品々でした。多様な表情を見せる人形頭の数々、刷毛や漆ヘラなど職人が使用する道具類、様々な品目が各地から運ばれたことを示す付札類など。これらは、「御土居跡(西九条周辺)出土品」と名付けられ、平成31年3月に京都市指定文化財となりました。
今回の講演会では、「御土居跡(西九条周辺)出土品」の文化財指定を記念して、その尽きせぬ魅力を紹介するとともに、これを手掛かりに、近世京都の芸能と人々の暮らしの実像に迫ります。

1 開催日 令和元年 11月 16日(土)
2 時 間 13時 00分から 16時 40分(受付・開場は 12時 30分から)
3 会 場 京都アスニー 4階ホール (京都市中京区丸太町通七本松西入)
4 参加費 無料(事前申込不要 当日先着 400名)
5 講演内容
〇報告「御土居跡(西九条周辺)出土品について」 内田 好昭(公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所)
〇講演1「御土居跡出土の人形と近世京都の芸能」 山路 興造(元京都市歴史資料館館長)
〇講演2「御土居跡出土の木簡と近世京都の人々の暮らし」 野地 秀俊(京都市歴史資料館館員)
〇対談 山路興造、野地秀俊
司 会:内田 好昭
明日、10月12 (土)に開催予定の「御土居を見て歩き~洛中洛外のはざまを歩く」は、台風接近に伴い皆さまの安全を考慮した結果、残念ではございますが、開催を中止することになりました。
イベントを楽しみにお待ちくださいました皆さまには、直前のご連絡となりましたこと心よりお詫び申し上げます。皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
第 309回京都市考古資料館文化財講座
現地講座「鴨東の遺跡-近衛中学校内の発掘現場見学と京都大学構内の遺跡をめぐる-」
鴨川の東側平野部にはたくさんの遺跡があり、これまでの調査で貴重な成果が報告されています。特に京都大学の構内では、建物が建て替わるたびに発掘調査が行われ、縄文時代から江戸時代に渡る各時代の遺構と遺物が見つかっています。今回は、近衛中学校内の発掘現場を訪ね、調査担当者から解説を受けたのち、京都大学構内の調査地点をめぐり、遺跡についての解説を行います。

北白川廃寺瓦積基壇
【日時】2019年 10月 26日( 土 ) 14時スタート ( 13時 30分受付開始 )小雨決行 20名程度にグループ分けをして歩きます。
【集合場所】京都市立近衛中学校内の発掘現場 ( 左京区吉田近衛町 ) ※近衛中学校内には入れません。学校の東側の通りに入口があります。
【コース】近衛中学校内発掘現場を見学 ⇒ 京都大学吉田南構内の調査地点 ⇒ 京都大学本部構内の調査地点 ⇒ 北白川廃寺瓦積基壇 ⇒ 尊攘堂前 ⇒ 京都大学総合博物館前で解散 ※尊攘堂は改修工事で入れません。
【定員】先着 100名( 事前申し込み不要 )
【参加費】無料
【問い合わせ先】 京都市考古資料館 ☎ 075- 432- 3245